「今は・・・」



江戸城で産まれた秀忠は、ある日全身真っ黒のネコを拾ってきた

「見てや〜♪可愛ええやろ?」

ニコニコしながら、真尋に話す秀忠

「そぉですね。首輪をしていないので、捨てネコでしょうか・・・」

「捨て猫?・・・」

・・・捨て猫・・・その言葉を聞いた幼い秀忠は悲しくなってきました。

「なぁ?真尋?・・・このネコはん飼ってええかなぁ・・・」

少し潤んだ瞳で見つめながらネコを抱きかかえる

「今、家康様に聞いてきますね?」

少し、微笑みながら真尋は家康のもとへ行った。

真尋が行ってから、10分ほど立った頃、真尋が帰ってきた。

「秀忠様、飼っても良いそうですよ?」

「ホンマ!?」

「ですが、しっかりネコの世話をするようにと、家康様から言われてきました」

「わかっとるで♪よかったなぁ〜★ほな、名前付けたろぉ〜♪」

上機嫌でネコを撫でながら、ニコニコしている

そのネコに名前付いた

「今日からあんさんは“太一”や♪」

「あら、いい名前をつけていただいたわね、ネコさん」

にっこりしながらネコを撫でる真尋

毎日毎日、どこに行くのにも一緒だった。

ご飯を食べるときも、お風呂に入るときも、お勉強の時間も・・・

毎日見つめて、毎日遊んで太一も秀忠に懐き、秀忠の後を追うようになっていました

「ず〜〜〜っと一緒やからな♪」

「みゃ〜ん」

時にはひっかき合ったり、間違えて尻尾を踏んだり・・・

でも、すぐに仲直りしていつものように一つの布団のなかで、1人と一匹が丸くなって寝ています


「なぁ〜?真尋?」

とある日、真尋を呼んだ秀忠

「はい・・・何か?」

すぐに来てくれる真尋の目に写ったのは、ぐったりとしてる太一を抱きかかえてる秀忠の姿。

「なぁあ?なんで動かへんの?今日も遊ぼうと思っとったんに・・・」

「秀忠様・・・」

「なんで動かへんの?まだ寝てるんか?」

「恐れながら・・・申し上げます・・・もう・・・太一は生きてはおりません・・・」

「生きてない?」

死んだという言葉を出せずにいる真尋

「生きてないって・・・死んでもぉたんか?」

「・・・・・はい・・・」

「・・・そか・・・じゃあ・・・埋めてやらんと可哀想やな・・・」

しっかり抱きかかえ、庭に向って歩き出した

土を掘りそのなかに太一をそっと入れた

「おやすみ・・・太一・・・」

土をかけ、手を合わせる

「ばいばい・・・」

その日から「死」が怖くなった・・・

人・・・生き物が死ぬとこなんかもう見たくない

いなくなると淋しいから・・・一人は辛いから・・・


今は、好きな人も戦友もいる・・・

悪い奴と戦って、好きな人を守る・・・

守りきれるか自信がないけど、側から居なくなるなんて考えたくなかった・・・

一人、絶対に失いたくなかったから・・・

「太一に似とる・・・」

「ああ?・・・誰だ?太一ってのは・・・」

太一と同じ黒・・・鋭い目つき・・・そう・・・狂はんは太一に似てた

「ううん!何でもないでっ」

ニコッと笑いながら返事を返す

今は、太一が居ないかわりに、いつでもどこでも狂はんが居る

「大好きや♪狂はんっ」

「ああ??何言ってやがる・・・」

笑顔を絶やさない・・・涙は辛いから

だから幼なかった「秀忠」は捨てた

わい名は影法師の紅虎や

もう一人やない皆が居るから・・・

狂はんが居るから・・・




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狂虎のつもりです(笑
いかがですか?(不安100%
一発打ち込みなんで、中身が薄いですが・・・・

あ、太一って名前はあまり深く考えないでください!(笑